今回は、心臓に関する病気を扱う上で大事な「心臓の役割」について書いていこうと思います。
地域の方向けに「心臓の病気」というテーマで講演会を頼まれ、今、パワーポイントで準備中です。ちょうど、このテーマも盛り込もうとしていて一般の方向けにわかりやすく説明できればと思っています。
心臓って何をしてるんですか?
心臓の仕組みについて(簡単に)
心臓は小学校や中学校で必ずならっているはずですが、みなさまは以下の空欄を何個答えられるでしょうか?
覚えてるわけないですよね。
そうです、知らなくても全然構いません。
ただ、自分の大切なご家族や自分自身が心臓の病気になったときに以下のことだけを覚えておくだけで医師からの説明が比較的すんなり入ってくると思います。
自分の病気はある程度理解しよう!
患者さんや患者さんのご家族は、病気に無知なことが多いと感じます。わかりやすく説明を尽くしたつもりでも、「よくわからないので、先生にお任せします」と言われちゃいます。
中には、自分自身がどう言った薬を飲んでいるかすら理解せず、盲目的に「先生が出してるやつを飲んでる。なんのために飲んでいるかわからない。」とおっしゃる患者さんも少なからずいます。
根底として、「心臓(心臓だけでなく他の臓器も)の仕組みがわからない」「難しすぎる」「病気の理解についてはからっきしだめ」と潜在的に思っているため、どれだけ説明をわかりやすく時間を割いても、脳が拒否反応を示しているのでしょう。
でも、これは非常に危険です!
ごくごく一部ではあると思いますが、医師の中には、必要のない治療を勧めるケースもあり得ます。
週刊誌などで手術件数の多さが取り沙汰されたり、手術件数が多いと手術用品メーカーから持て囃されたりすることもあるので、その結果として、医師は必ずしも「聖人」とは言えませんので、判断がダークサイドに陥ることも否定はできません。
患者さんやそのご家族もある程度は、体の仕組みや病気のこと、飲んでいる薬のことは、理解しておくことが必要だと思います。
こうは言っても誤解しないでくださいね。ほとんどの医師が、しっかりとした「良心」に基づき、治療に当たっています。
さて、心臓の仕組みを三つだけ覚えてください。これだけで『十分』です。
心臓は身体のすみずみまで血液を送り出すポンプの役割を担う(=心臓の左側の部屋)
心臓は特殊な筋肉細胞でできていて、膨らんだり縮んだりすることで心臓の左側の部屋(=左心室)は血液を体の隅々まで送り出します。血液には、酸素や栄養が含まれており、それらを脳、腎臓、筋肉などに送り出す必要があります。
心不全の多くの原因が、この「心臓の左側の部屋」の異常で起こります。
心不全については、過去記事の
を参照ください。
心臓は血液に酸素を加えるために肺に血液を送り出します(=心臓の右側の部屋)
心臓の右側の部屋は、二酸化炭素が多くなった血液を肺に送り出すことにより、血液をきれいにします。「きれい」と言ったら誤解があるかもしれませんが、ここでは「酸素がたっぷりある状態にすること」を「きれい」としています。
右側の部屋の病気の代表例は、「肺血栓塞栓症(=エコノミー症候群)」「肺高血圧症」などがあります。また、左側の心臓が正常でも右側の部屋が痛むと「右心不全」と呼ばれる状態にもなります。これらの右側の心臓の部屋が不調できたす疾患については、また別敲で書きたいとおもいます。
心臓は心臓の周りに血管を張り巡らせて心臓自身に血液を供給しています(=冠動脈)
体や肺に血液を送り出すために心臓は日夜活動している働き者ですが、自分自身にも血液を送り出し、酸素や栄養を配達しないといけません。そのために心臓の筋肉の周りに血管があり、心臓から送り出された血液の一部がこの冠動脈を通って心臓そのものに酸素や栄養を配達します。
下記、Youtubeがわかりやすいです💓
この動画の最後に、冠動脈が輪切りになって、「プラーク」と言われる黄色の塊が血管の中を充満しているのが観れます。それが、「動脈硬化」と言い、その結果「狭心症」や「心筋梗塞」を起こします。
狭心症や心筋梗塞については、私自身深く関わっていますので、いつか詳しく説明します。
まとめ
心臓の役割3つだけでよいので、頭の片隅にいれておいてください。
①心臓は身体のすみずみまで血液を送り出すポンプの役割を担う(=心臓の左側の部屋)
②心臓は肺に血液を送り出すことで血液をきれいにします(=心臓の右側の部屋)
③心臓は心臓の周りに血管を張り巡らせて心臓自身に血液を供給しています(=冠動脈)
簡単でもいいので、病気になったとき、その臓器の仕組み、その病気のこと、その治療のことを少しでも理解するようにしてください。結果として、よりよい治療が受けれる可能性があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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