医師の副業について、講演会やバイトなど様々なことを経験してきましたが、やはりNo1は「産業医」で間違いないです。
私はバイトだけをしている医師ではなく、メインとして常勤の病院で働いていながら、副業として産業医をしています。
勤務医やバイト医問わず、ローリスクハイリターンの『産業医』について説明したいと思います。
・ローリスクでハイリターンな副業を考えている医師
・バイト先を探している大学院生(医師免許所持)
・研修医(初期研修を終えたらバイトができます)
・医師に興味があるひと
👇産業医の契約に至るまでについては、以下の記事を参照ください。
勤務医がどうやって嘱託産業医をするのか
産業医の資格をし得したものの勤務医がどうやって嘱託産業医をするの?って思いますよね。
産業医資格をもっている勤務医の医師全員が嘱託産業医をできるわけではないですが、できる可能性を提示します。
参考にしていただければと思います。
有給を活用する
「は?有給?そんなもの取れるわけないじゃん!」
という声が聞こえてきます。
ただ、以下を読んでいただき考えてください。
10年前の私を振り返ると
私が若手の頃は、医師になって初期研修、後期研修医を終えても数年は有給なんて取りづらかった時代でした。今でもそうかもしれませんが。
しかも、土日も夜間も常にいつ電話がかかってきてもおかしくないオンコール状態が24時間365日でしたので、産業医とかバイトすらやる時間なんてあるわけないと当時の私は思っていました。
当然(?)、残業代もすべて出るわけでなく、30時間までしか残業代がつけれないという意味不明なルールが罷り通っていた時代です。今では働き方改革うんぬんが華々しく登場してあり得ない話ですが、当時は150時間/月(当直は除く)の残業は当たり前、重症患者の主治医になったら泊まり込みが普通でした。「勉強という名のもとに」やりがい搾取ですよね(笑)。たった10年前の話ですが。
若い時にしかできない経験でしたので、貴重な時間を過ごせたとも思っています。失ったプライベートの時間は計り知れませんが、医師としてのスキルは他よりも断然高くなったと思います。
当時の院長が、「人件費を削ってるんで、めちゃくちゃ黒字で新築の病院建て替え費用が想像以上に早く返せてるわ。みんなのおかげやで(満面の笑み)」と語っていたのはいまでも思い出されます。
さらには、有給なんて取れる雰囲気すらありませんでした。大量に余った有給の消費期限がすぎて無に消えていきました。病院を異動で退職するときも「有給消費」という概念はなく、最後の最後まで働くという社畜、いや病畜っぷりでしたね。
ただ、よく考えてみてください。
時代は変わりました。若い医師の多くはワークライフバランスを考え、人間的な生活を送れる環境を選ぶ傾向にあるようです。
もはや、24時間戦える医師が活躍する時代は終わりに近づいています。
「俺らの時代は…」と武勇伝を語っても引かれるだけです。
そして、ヘトヘトになりながら24時間365日働いてる医者より、心身ともに余裕がある医師に診られるようが患者さんにもいいと思います。
くたくたになっている俺がかっこいい…と思っていても長くは続きません。
「患者さんのために!」というのはわかりますが、まず自分が心身ともに余裕がないと長続きはしませんし、いずれ大きな失敗からの挫折やプライベートの破綻、燃え尽き症候群になるのがオチです。
有給を有効活用しよう!
時代は変わっています。
有給を申請する際に上司は理由を聞くのはNGになっています。
つまり、
部下「この日休みたいんですがいいでしょうか?」
上司「え?いいけど、なんで休むの?」
これはもはやNGです。医者の世界ではあまり知られてないかもしれませんが、もう「パワハラ」認定されます。
病院として大きなイベントがない限り、休みを申請すれば受理されなければなりません。
何も後ろめたいことはないんです。
積極的に有給を有効利用し産業医として活躍しましょう!
勤務医の年収くらいが一番損する
医師は若いうちに年収1,000万円に到達します。私も医師3年目には1,000万円に到達していました。
しかし、そこからなかなか上がりません。10年目で残業てんこ盛り、24時間365日オンコール、当直こみこみという病畜っぷりで年収1,500万くらいでしょうか?多い人なら2,000万円近い人もいるかもしれませんが、かなりのプライベートを犠牲にしていることでしょう。
額面の年収は上がりますが、累進課税制度にて手取りは思った以上に少なく、また、所得制限で各種手当がカットされます。配偶者控除もなくなります。
子供もいない、あるいは、小さいうちは気にならないかもですが、小学校、中学校と進学して行くうちにかなりの教育費がかかってきます。
ちなみに、中学受験を前提とした進学塾を通わす場合、小学校6年生で月10万円と近くは考えておいた方がいいでしょう。
ダブルインカムのパワーカップルはおいといて、専業主婦(夫)のご家庭では、医師といえど、教育費の負担は大きくのしかかってきます。
医師は、自分の子供にも医師になってほしいと考える傾向が強いですし、たとえ医師を希望しなくても、それなりの教育は受けさせたいと思う人が多いのは間違いないです。そこを妥協しちゃうと、のちのち後悔しても取り戻せません。
そこで産業医の副業をしているとしていないでは、大きくかわってきます。産業医が月5〜10万円あるだけで、子供の教育費の一部や全部をペイできるんです。
ただ、教育費がめちゃくちゃかかることに気づいてから産業医を探してもすぐに見つかるわけではないので、できれば余裕があるうちに探して少しずつでもやっておくことをお勧めします。
余裕資金があると、株式などの投資にも回すことができますし選択肢の幅が広がります。
医師人生を医療に捧げるのはそれはそれで崇高な目標ではありますが、病院の経営に捧げる必要はありません。
突っ走ってると考えることのない将来的なプランを一度見直すことも大事かもしれませんね。
研究日を有効活用する
病院によっては、土曜日に勤務することがあると思います。外来などやっている病院も多いですよね。
その代わりに研究日として平日に休める病院もあると思います。
大学病院勤務であれば、平日のどこかはバイトに当てれますよね。
それを産業医に当てれば良いだけなので、有給を取得するより簡単ですし、後ろめたい気持ちもなくていいかもしれません。もちろん、有給を取ること自体は、後ろめたい行為ではないのですが、日本のよくない慣習ですよね。
おそらく、外来の単価は午前9:00〜12:00を一コマとすると、大体4〜5万円が相場でしょうか?
1時間で3万円の産業医を同日に2つ入れていると、産業医の方に軍配が上がりますし労力も少ないです。
バイトの外来と産業医を組み合わせてもいいかもしれません。私ならそのようにスケジュールします。
要は、あまりにも真面目にしすぎると損する可能性があるので、自分の人生ですから柔軟に考えてチャレンジするのはいかがでしょうか。
私の場合
常勤としている病院で適度な位置の役職者ということもあり、自分のスケジュールに融通が利きやすいので、産業医の仕事も適度にこなしています。
もちろん、診療に影響にないようにしています。
2021年に取得したばかりですが、すでに年三桁万円を超えています。かなり美味しい案件に巡り合えたというのが大きいですね。
ただ、待っていてはチャンスは巡ってこないのは確かです。
いまは若い医師は気づかないかもしれませんが、常勤の勤務だけがメインの収入とするのは将来的にやや危険かもしれません。さまざまな分野にリスク分散するのがベストです。それは資産も仕事も同じです。現に、教授や病院長など偉い医師も講演会、アドバイザーなどで収入を分散しています。
このようなことは誰も教えてくれませんが、何事も賢く行動することが大事です。決して、ずる賢く仕事しろという意味ではありません。
収入が分散され確保できていれば、心にもゆとりが保つことができ、よりよい診療につながります。
支出だけが増えて収入が伸び悩むと、それはそれで、良くない方向に進む可能性すらあります。病院での地位を確保するためにしなくてもいい手術をしたり、新薬を製薬会社の太鼓持ち講演会のために処方するなど、そういうのに手を出してる医師も見かけなくはないです。
最後は哲学的な話になってしまいましたが、収入にゆとりを持てる、収入が分散しているということは、とりわけ支出が多い医師にとっても非常に重要なポイントだと思います。
その一つの手段として「産業医」の活用をお勧めします。一番、簡単なので。
ただ、公務員の医師はバイト自体がご法度なので、そこは個々人でご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考にしていただければ幸いです。
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