こどもに「医師」という職業をオススメする理由をエピソードを交えながら説明したいと思います。
ドラマでも映画でもマンガでも医師という職業はよく取り上げられるほど人気がありますね。
お金では買えない「健康」や「生命そのもの」を救える職業の最高峰として、憧れる対象となりますね。
私の両親は医師ではないのですが、「ER」というアメリカドラマを高校のときに観るようになって医師という職業に憧れるようになりました。
「ER」は非常におすすめの海外ドラマです。
「ER」とはEmergency room=救急救命室の略語で、そこで働く医師たちが協力しながら患者を救っていくドラマです。
リンク
日本でいうコードブルーですね
ただ、コードブルーとは比べものにならないほどリアリティがあります。
小学生にはまだ早いかもしれませんが、中学生〜高校生の間に観ると、医師という職業を目指すようになるかもしれません。
私は医師になって10年を超えていますが、医師になってよかったなと思う理由をエピソードを交えながら説明していきたいと思います。
堅苦しい説明はしませんので、気楽に読んでください。
「人の命を救える!」とか「給与が安定している!」とかよく言われることは書きません。
それら以外で、私が「いいな」と思った点を書いていきたいと思います。
目次
ずっと働ける
「ずっと働ける」というとブラックな印象を与えるかもしれません。
「ずっと働ける」とは、医師という職業をずっと続けていても苦にならないという意味です。
いまFIREが非常に流行りですが、私の周囲の医師たちから「はやくFIREしたいな〜」と言っているのを聞いたことがないです。
FIREとは、今流行りの「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
私の周囲が特別だからということはないと思います。
どの年代、どの専門科の医師と話していても、「開業したい」「教授になりたい」などの野望は聞くことはあっても「FIREしたいな」っていう言葉はほぼ聞いたことがありません。
FIREって言葉を初めて聞いたのは2022年にリベ大Youtubeの動画を見てからでした。
本格的に資産運用をしてみたいとおもっていて、たまたまYoutubeの動画を漁っていた時にFIREという言葉があることを知りました。
FIREという言葉を知ってからも、FIREしたいとは思いません。
正確には、『FI』=「経済的自立」は達成したいと思いますが、『RE』=「早期リタイア」はしたいとは思いません。
できれば、ずっと長く働いていたいとさえ思います。
では、なぜそのように思うのでしょうか?
ただの社畜なのでしょうか?
裁量権が大きい
「裁量権」とは、自分の考えで意思決定する権利のことで、ビジネスシーンでは、本人が意思決定できる範囲を指します。
医師はそもそも研修医ですら裁量権が大きいのです。
医師という国家資格を取得すると、医師は医療に従事する職業のなかで唯一「指示ができる」職業ですから、裁量権は絶大です。
医師になってすぐに、研修医であっても、看護師、薬剤師などのコメディカルに「指示」が出せます。
その「指示」をもとに、コメディカルが「指示に従って」患者のケアに当たるんです。
例えば、ある患者に研修医が注射を処方したとします。
その処方をもとに、薬剤師さんが注射薬を準備します。
つぎに注射を看護師さんが患者さんに使えるように準備して実行します。
そうなんです、医師は最初に処方をするだけで、あとは薬剤師と看護師が指示通りに患者に注射をしてくれます。
回診(病棟の患者さんを診察すること)、外来、検査、手術、患者さんの急変などは時間がとられますが、それ以外は「指示」が滞りなく動作すればコメディカルがやってくれます。
そして、外来、手術や検査などの予定がない日は、空いた時間は自由に使えます。
勤務時間であっても、スマホでゲームをしようが、Twitterをしようが、株をしようが、業務に支障がない限り誰も何もいいません。
だから、医師が四六時中Twitterに投稿できているのは、こういう理由なんです。
もちろん、自己研鑽のために、教科書や論文を読んだり、学会発表の準備をしたりしてもかまいません。
研修医のうちは、自己研鑽をしている医師が多いとは思いますが。
「裁量権」は医師としてのキャリアが上がるにつれて、自然に大きくなっていきます。
普段、何をしているのかわからないおじさん医師も出現します。
検査や手術があまりない「専門科」ですと、外来などのDuty(決められた仕事)以外は何をしているのか他の科からはわかりません。
これは実際いた「ある医師」の話なのですが、
「あの先生、ずっと医局の席に座ってYoutube見て笑っている」
といった噂は飛び交いますが、実際、誰かに咎められることは稀です。
中堅やベテランにもなると、若手医師に面倒な患者を押し付けられるという力関係も生まれてきます。
「押し付ける」というと語弊があるかもしれませんが、若手医師としては経験のためにより多く患者を診たいと思っている可能性も高いので、両者Win-Winになってはいます。
私が若いころはより多くの経験をしたいと思っていましたので、よりたくさんの患者を診たいために上級医の依頼がなくても率先して患者を診るように心がけていました。
ただし、病院での「役職」が上がってくるにつれて、診療以外の業務が増えてくることは間違いないです。
ただ、会議などが増えても、自分の時間を作ろうと思えば、若手よりは作れるようになってきます。
いずれにせよ、ベテランになるにつれ裁量権はより広がっていきます。
裁量権が大きくなるにつれ、仕事の量や時間の使い方などの自由度も高まります。
結果として、
医者って「楽な仕事」なんじゃない?
と、思うようになります。
結果として、
ずっと働いててもしんどくない!
という気持ちになってきます。
ただ、ここには一つ罠があって、
若いころは自由な時間がないほどがむしゃらに働いてきたのと比較して、相対的に「楽」と感じているだけなのかもしれませんが。
ただ、世間の人たちが思い描いているほど、「死ぬほど働いている」医師ばかりではないのは確かです。
あこがれる医師像
私が大学院生の時に高齢の医師に出会いました。
82歳でしたが、医師として勤務されていました。
大学院生のときに、その医師が働いている施設へ週1回バイトとしてサポートしてくれないかと打診がありました。
「老健」とよばれる老人施設の施設長として勤務されていました。
82歳の医師が、自分より年下の利用者もいる施設の長をしていたのです。
もともとは外科医だったようですが、高齢の利用者さんの健康管理を行っておられました。
手を抜くことなく、一人ひとり真摯に対応されていることに非常に感銘を受けたのを今でも覚えています。
もともと外科医でしたので褥瘡の治療をなされたり、状態の悪い利用者さんを病院に紹介したり、ある時は、看取りを行ったり、パワフルに働いていらっしゃいました。
ずっと笑顔を絶やさない医師でした。
俺は医者だ!とおごった雰囲気は一切なく、自分より年下の利用者さんにも真摯に対応され、また、職員に対しても優しく応対され、皆から愛されている医師でした。
また、まだ若かった私に対しても、こちらが戸惑ってしまうほど気遣っていただけました。
それ以外にも、日赤での献血の管理医師の仕事もされていました。
もちろん、お金目当てではありません。
「単純に働いていたい。仕事を辞めてしまうと老け込んでしまうんよ。」
と、笑顔で話していただけました。
いつしか、最終的な医師の姿として、この医師を強くイメージするようになっていました。
私もこの先生のように、できるだけ長く患者さんを診ていたいし、必要とされていたい。
好きな仕事をずっと続けられるということは、非常に幸せだと思います。
私自身、医師という仕事が趣味の延長線上にあるかのように感じています。
もちろん、嫌なことや落ち込むこともありますが、できるかぎり「ずっと続けていきたい」と思っています。
たまたま、私が医師という職業とマッチしていたのかもしれませんが、周りを見渡しても「早くリタイアしたい」といっている人は少数派です。
というか、聞いたことがないです。
やはり、医師という職業の特性上、
✅ 裁量権が大きい
✅ 感謝される
✅ 給与が高め
✅ 自己肯定感が得られやすい
であることが、多くの医師がモチベーションを維持できる要因だと思います。
つまりは、
医師という職業は、できる限り継続したいと思うほど優良な職業の一つ
であると言えます。
もちろん、第一線でずっと救急医療を続けたいとか手術をしたいとか気持ちは薄れてくるかもしれませんが、「ずっと医師は続けていきたい」と思っている医師は多いのではないでしょうか。
子供には好きな職業についてもらいたい
常々おもっているのは、好きな職業を見つけてほしいということです。
いくら給与が高い職業でも、好きではないと継続は難しいです。
私自身、子供に「好きな仕事を見つけて、それを継続すること」が大事だと言っています。
結果として「お金」が伴ってくるとも説明しています。
お金儲けを主眼にしてしまうと、汚いことやよろしくないことに手を伸ばしてしまう危険性もあります。
好きな仕事を見つけられるように、いろいろな経験をさせてあげられるかどうか親にゆだねられるところは大きいです。
いろんなことに興味を抱くように導き、一緒に探ったり、一緒に考えたり、一緒に解決法を導くことにより好奇心を伸ばしていければベストです。
仕事もしながら、経験を共有していくのは難しい面もありますが、努力は必要ですね。
それは、読書でもいいでしょうし、映画でもいいでしょうし、うえで述べた「ER」を一緒に見るでもいいでしょうし、すべてがお金がかかるものではないと思います。
子供は世界が狭いので、「きっかけ」を与えてあげるということも大事ですね。
医師は子供におすすめな職業か?
私の答えは、
「医師は子供におすすめな職業の一つ」
です。
理由は上に述べたように、医師という職業の特性上、
✅ 裁量権が大きい
✅ 感謝される
✅ 給与が高め
✅ 自己肯定感が得られやすい
であるからです。
なかなか感謝される職業というのは少ないものです。
少なくとも1回は、こころから感謝される職業なんて少ないのではないでしょうか?
少なくとも1回は、こころから感謝される職業なんて少ないのではないでしょうか?
高校からの友人で、公認会計士が言っていたのですが、
「医者みたいに感謝される職業って少ないんやで。俺なんていっつも文句ばっかり言われてるわ。」
と言っていました。
もちろん、手術の執刀などはかなりのプレッシャーですし、失敗したら文句だけじゃなく訴訟のリスクもあるのですが、「感謝される」ということは、なによりもモチベーションを保つ原動力にはなります。
また、「医師」の免許を取得したからと言って、一般的な「医師の仕事」をする必要はありません。
研究に没頭してもいいですし、医技官など国家公務員として働いてもいいですし、起業してもいいでしょう。
特に「起業」は、医師免許の強さから融資は比較的受けやすいです。
医師免許の強さから、起業に失敗してもバイトでも十分に食べていけます。
医師免許が大きな保険になるわけですね。
将来は「AI」や「ロボット」が台頭してくるので、今まで通り「安泰」とは言えないですが、さまざまな可能性が広がっているという点で「おすすめな職業」の一つと言えるでしょう。
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まとめ
医師という職業をこどもにおすすめする理由を書きました。
医師という職業は、裁量権が大きく、給与も高く、感謝されることが多く、自己肯定感を得られやすい
その結果として、「いつまでも続けていきたい」と思う職業になりえます。
ずっと続けていきたいと思える確率が高い「医師」という職業は非常に魅力的です。
必ずしも万人に医師という職業が「あっている職業」になりうるとは思いませんが、選択肢の一つとして考えてみてもいいかもしれませんね。
医師の立場から、完全に主観で書きなぐってみました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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