2022年6月、私は副業がそれなりに成長したため「合同会社」を設立しました。
本業として勤務医を継続しながら、副業で「合同会社」を立ち上げました。
法人設立なんて夢にも考えたことがないという人が大多数だと思います。
ですが…
今回のお話は、法人を作る人向けですが、法人設立の予定がない人も「なぜ法人が有利なのか」がよくわかると思います!
マイクロ法人すなわち合同会社を設立する方法については、過去ブログで説明しています。
副業で法人を設立するというのは、
いわゆる、「法人成り」というやつです。
法人成り(ほうじんなり)とは、個人事業主が会社設立によって、法人化することを指します。
一般的に会社設立時には資本金を集めて事業の運転資金としますが、法人成りの場合は個人事業主時代の資産を引き継ぐことができるため、良いスタートダッシュが切れるメリットがあります。
また、取引先と結んでいる契約を設立した法人に変更するだけですので、事業をそのまま引き継ぐことができます。
私の場合は、副業の事業所得が〇00万円を超えるタイミングで、個人事業主から法人へとステップアップしました。
個人事業主ですと、本業の給与+副業の収入が合算されてしまうため、累進課税制度により税金がえらいことになってしまいます。
私の場合、所得税と住民税を合わせると4桁万円を超えてしまいましたので、法人成りを決断しました。
法人にかかる税率は25~30%と個人より低くなるメリットがあります。
しかも、それは利益に対してかかるので、納めなくてはいけない税金はぐっと減ります。
さらには、経費化などのメリットもあり得ます。
個人で所有していた車を法人所有に切り替えることで、車にまつわる経費を法人で処理することが可能です。
具体的には、車体はもちろんなんですが、
・ガソリン代
・ETC代
・車検
・修理費
・保険
・自動車税
などが経費として処理できます。
もちろん全てではありませんが。
ここで重要なのは、
法人化の大きなメリットは、経費はBefore Tax(税引き前)で処理できる
ことです。
詳細は、過去記事を参照ください。
Before Tax(税引き前)とAfter Tax(税引き後)は非常に大事な考え方です。
一般的に給与所得しかない人は、様々な税金がひかれた給与から物やサービスを購入します。
しかし、法人は税金が引かれる前に物を購入できるのです。
すなわち、純粋な売り上げから経費を引いた利益のみに税金がかかるのです。
図示すると下図のようになります。
ここは非常に大事です。
法人成りする手続きは決して簡単とは言えませんが、法人成りするメリットはすごいです。
これは、法人成りする勇気と手間をかけた恩恵といえるでしょう。
具体的には、ガソリンスタンドで10,000円給油したとします。
給与所得のみだと、10,000円は、所得税や住民税など様々な税金を差し引かれて残った所得から支払うことになります。
例えば、所得税+住民税が30%であれば、14,285円を稼いだお金が、税引き後10,000円になって支払ったことになりますね。
法人ですと、10,000円は、税金がかかる前に支払処理されます。
私の場合、所得税と住民税が合わせて50%なので給与所得のみから10,000円を払う場合は20,000円稼ぐ必要があったことになります。
ですから、法人で支払う場合は、50%引きの感覚で支払うことができるのです。
経営者がすべてうまくいくようになっている仕組みなのです。
世の中の秩序や法律は、一部の権力者が構築しています。いくら民主主義といえど、現実はそうです。
世の中のお得なシステムは、権力者が得をするようにできているのです。
権力者=経営者の場合が多いので、法人設立に伴うメリットが大きい理由は当たり前なのです。
今回は、個人所有の車を法人所有にする利点を説明します。
この記事がおすすめな人
👉 マイクロ法人(合同会社)設立を考えている人
👉 個人事業主からマイクロ法人(合同会社)への法人成りを検討している人
👉 法人設立のメリットを知りたい人
👉 副業をしている人または検討している人
目次
車を個人から法人名義にするステップ
[timeline title=“車を個人から法人名義にするステップ”] [ti label=“Step1” title=“必要書類の準備”]売買契約書、自動車検査証、譲渡証明書、会社の代表者印とその印鑑証明書、個人の実印とその印鑑証明書、車庫証明書です。[/ti] [ti label=“Step2” title=“運輸支局で手続き”]業者に委任する場合は用意するだけですし、自分で登録に行く場合でもそこまで難しい手続きはありません。[/ti] [ti label=“Step3” title=“保険を個人から法人へ変更する”]ネットでは難しいのでディーラーなど対面で保険を契約することをお勧めします。[/ti] [/timeline]
一見、複雑に見えますが、全然大変じゃありません。
ディーラーの担当者に書類をお願いしたらほぼ全て準備してくれます。
以下にたくさん書類を出していますが、手間は見た目よりもだいぶ少ないです。
車に関する経費がすべて「経費」にできることを思うと、はっきり言って微々たる苦労です。
頑張って変更しましょう!
書類の準備
書類の準備は大したことではありません。
一つずつ見ていきましょう。
売買契約書
個人と法人の間で「売買」をした証が必要です。
「贈与」という形にすると「贈与税」などかかりますし、本来の「節税」という目的からは離れてしまいます。
つまり、個人で購入した車代金を法人に売ることで、個人で支払った税金を取り戻すというのが大きな目的の一つなのです。
どれだけ節税になるか?
例えば、
個人で車を500万円で購入したとします。
個人はさまざまな税金が引かれた後(After Tax)ですので、
個人が500万円を稼ぐには、
所得税+住民税が30%の人であれば714万円
所得税+住民税が40%の人であれば833万円
所得税+住民税が50%の人であれば1000万円
となります。
*注:厳密には控除などがあり違いますが簡単なイメージとしてご理解ください。
500万円の車を買うのに、税率が50%の人は1,000万円も稼いだお金から支払ったことになるんです。
その500万円で買った車を2年後に400万円で法人に売ったとします。
法人は、税金が引かれる前の売上(Before Tax)から支払うことができます。
つまり、400万円の車代は税金が引かれる前の400万円の売上で充てることができるのです。
鋼の錬金術師でいう「等価交換」に当たりますね。
その400万円が法人に車を売った個人に戻ります。
結果として、500万円の車に支払った金額は、個人が100万円、法人が400万円ということになります。
個人が100万円を稼ぐには、
所得税+住民税が30%の人であれば、100÷0.7=142万。車に支払ったお金は、法人と合わせて542万円。
所得税+住民税が40%の人であれば、100÷0.6=166万。車に支払ったお金は、法人と合わせて566万円。
所得税+住民税が50%の人であれば、100÷0.5=200万。車に支払ったお金は、法人と合わせて700万円。
です。
結局のところ、節税効果はどれくらいになったかというと、
全額個人負担から[個人で支払った分+法人が支払った分]を引いた額になるので、
所得税+住民税が30%の人であれば、714ー542=172万円の節税効果。
所得税+住民税が40%の人であれば、833ー566=267万円の節税効果。
所得税+住民税が50%の人であれば、1000ー700=300万円の節税効果。
です。
*厳密には、法人も最終的な利益に25%〜30%の税金がかかりますので厳密には異なりますが、話を簡単にしています。
税率30%の人でも170万円もの節税効果は非常に大きいです。
売買契約書の実例
以下のような書式になります。一例です。
私の顧問税理士さんからいただいた書式になります。
どこかに提出が必要な書類ではありませんが、税務調査などで調べられたときに必要になりますので、作成して保管しておきましょう。
車の値段について妥当性がないと、税務調査のときに突っつかれてしまいます。
すなわち、中古車市場と乖離している値段設定はいけません。
ですから、中古車サイトで査定したり、ディーラーで査定したりして、値段設定の妥当性を担保しましょう。
私は、ディーラーで査定してもらった値段を売買価格としました。
「2年落ちなのに新車価格にしちゃう」など自分の都合がいい値段をつけるのはやめましょう。
売買価格の設定する際は、妥当な価格を設定しよう。
自動車検査証
基本的に、ダッシュボード等、車の中にあるはずです。
万が一紛失している際でも運輸支局で300円の手数料を支払い申請すれば運輸支局で受け取ることができます。
譲渡証明書
車名、型式、車体番号、原動機(エンジン)の形式、譲渡年月日、譲渡人および譲受人の氏名名称および住所、譲渡人印を記載する証明書です。
こちらは公的な書面などではないので、簡単な書式のもので構いません。
ネット上にたくさんフォーマットが無料でダウンロードできます。
三井ダイレクト損保HPより
旧所有者として個人名と住所と印鑑、新所有者として法人名と住所と印鑑を押しましょう。
個人と法人の印鑑証明書
法人名義になるので新所有者の会社の代表者印とその印鑑証明が必要です。
また、旧所有者として、個人の実印とその印鑑証明も必要となります。
車庫証明書
車を登録した際に管轄の警察署で車庫証明を取っているのでその際の書類も必要となります。
また車庫の住所が同じ場合は不要ですが、住所が変わる場合は、管轄の警察署で新しく車庫証明を取得必要があります。
私の場合、引っ越しをしたこともあって、車庫証明を新たに取り直しました。
マンションであれば、管理組合に申請したら必要な書類を揃えてくれます。
私の場合、マンションの管理組合に頼んだら2日で用意してくれました。
車庫証明を新たに申請する場合、実際にその場所(駐車場)が実在するのかどうか警察が確認に来ます(応対は不要です)。
そこで大事なのが、『郵便ポストに法人名を記載しておく』ことです。
法人名義で車庫証明書を申請することになるので、ちゃんと法人が存在するかどうかポストを確認されるようです。
ですから、「〇〇合同会社」など一時的にでもポストにテプラテープなど貼付しておくことをお勧めします。
運輸支局で手続き
運輸支局は、ほぼ業者しかいないので一見するとすごく初心者には居づらいところに見えます。
しかし、実は書類を提出する順番がわかりやすかったり、受付の職員も優しく教えてくれますので安心してください。
委任せず自分で初めて行く方でも名義変更であれば特に難しくありませんので、必要書類さえそろえておけば、運輸支局で教えてもらうことができます。
私の場合は、ディーラーが3万円で代行してくれると言ってくれたので、すべて頼むことにしました。
平日有休を消費して、慣れない作業を行うより、ディーラーに頼んだ方がコスパ的にはいいと判断しました。
というか、ディーラーの担当者が「任せてほしい!」という気持ちをヒシヒシと感じたので、任せることにしたんです。
申請書
運輸支局でもらうことができます。
OCR申請書第1号様式というマークシート方式の書類です。
運輸支局で名義変更する旨をつたえるともらうことができます。
国土交通省のHPからも取得できます。
手数料納付書
手数料納付書に、車体番号や名前などを記載し、名義変更の欄にチェックします。
窓口に提出すると登録印紙を係りの人が貼ってくれますので簡単です。
自動車税や自動車取得税申告書
自動車税や自動車取得税の申告と納税が必要となります。
そのために必要な書類となります。
必要な金額を請求されますので、お支払いしましょう。
金額は、年式や価格、環境性能によって変わります。
私の場合、500万円の売買価格でしたが、5万円くらいの取得税が必要でした。
ナンバープレート
ナンバープレートは変える必要がなければ、そのままで良いです。
保険を個人から法人へ変更する
個人名義での自動車保険とは違い、法人契約では、補償内容や契約台数などで契約の内容が変わってきます。
法人契約で自動車保険を検討している場合は、インターネットで加入はできないので、電話や訪問で問い合わせなければならないです。
詳細は対人窓口で聞いてみた方が良いです。
私の場合は、ディーラー経由で決めました。
保険については、コスト重視にするのか、安心重視にするのか、個人の価値観に依存するので窓口でアドバイスを伺っていただき、ご自身で判断するのがベストです。
まとめ
✅ 個人所有の車を法人所有に切り替えることは、税制面を考えると非常に有利。
✅ 法人に売却することで、個人に税金が返ってくる可能性もある。
✅ ガソリン、車検、自動車税などのコストを経費にできる。
✅ 手続きはそこまで大変ではない。ディーラーに任せれば多少コストはかかるが楽ちん。
上で示したように、車両を売買するだけでかなりの節税になり得ます。
世の中、経営者が勝つようになっています。
ぜひ、そのルールで勝ち組になれるよう経営者になる道を模索してみてください。
経営者と言っても、自分一人従業員のマイクロ法人(合同会社)でよいのです。
副業をしているならば、発展させて、ぜひとも法人化を目指してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでもお役にってれば幸いです。
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