【精神科医が解説】不眠の対処法〜原因と種類〜

誰でも一度はベッドや布団で横になるものの「寝れない…」という経験はあると思います。  

 

夜根レナさん
最近、寝つきが悪くて「寝れない、寝れない…」と思うと気持ちが焦ってどんどん目が覚めてくるの。
 
ぽりぽり
それは、精神的な問題、不安や緊張が強い時に起こりやすいと言われています。
夜根レナさん
そうなんです。職場の人間関係がうまくいかなくて…
 
ぽりぽり
やはりそうなんですね。不眠について説明しますので、一緒に解決方法を考えましょう。
 
この記事がおすすめの人

✔︎ なかなか寝つけない人

✔︎ 夜中によく目が覚める人
✔︎ 朝早く目が覚めてしまう人
✔︎ 不眠に興味がある人
目次

不眠症とは

不眠症とは、夜寝つきが悪い、眠りからすぐ覚めてしまう、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続き、よく眠れないため日中の眠気、注意力の散漫、疲れやさまざまな体調不良が起こる状態が1ヶ月以上つづくことをいいます。  

日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいるとされています。

 

不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と年齢を重ねるごとに急激に増加します

また、男性よりも女性に多いといわれています。  

不眠症を起こす原因

不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。

不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。  

心理的な要因

ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。 神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。  

また、多くのこころの病気は不眠を伴います。 人間関係、仕事の問題など最近では、うつ病にかかる人が増えています

 

単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。 慢性的な不眠症の多くで、何かしらの精神医学的な疾患を持っているとも言われています。  

 

ストレスは不眠の大きな原因。 また、こころの病気も不眠を伴う。

身体的要因

心不全、咳や喘息などの呼吸器疾患、前立腺肥大による頻尿、関節の痛みを伴う関節リウマチ、アトピー性皮膚炎などの痒みを伴うアレルギー疾患などさまざまなからだの病気で不眠が生じます。  

 

また睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群(レストレスレッグス症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられる場合も珍しくありません。  

 

不眠そのものより原因となっている病気の治療が先決です。 原因となっている症状がとれれば、不眠は自然と消失します。

 

身体的な病気や症状を治療することで、改善されることがある。 原因検索が非常に大事。
 

薬や刺激物

服用している薬や、アルコール、コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどが原因で起こる不眠があります
カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。
特に、ドリンク剤には意外とカフェインが多く含まれているので注意が必要です
レッドブルとかのエナジードリンクも不眠の原因になりますから要注意ですね。
 
代表的な薬には、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働く薬、ステロイドなどがあります。
お薬を飲んで、不眠が生じた場合は、主治医と相談し可能であればお薬を調整してもらいましょう。
 
服用しているお薬、飲酒、喫煙、カフェイン摂取の習慣がないかを確認することが大事。
 

環境的な要因

騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。遮光カーテンなどが有効な場合もあります。
 
また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。不眠が悩んでいる場合は、お部屋の環境を見直すのもいいでしょう。
 
枕が変わることも重要な不眠の原因です。枕が合わないと、肩こりの原因にもなりますし、不眠をより一層悪化させます。
 
少しでも眠りやすい住環境、例えば就寝前には照明を落とし、起床時には上げるなど、光のコントロールを検討する。
 

生活リズムの乱れ

交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。
仕事の都合で夜勤がある場合は、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。
 
看護師、コンビニなどの24時間営業の店員さん、ホテルの食事など早朝から勤務しなくてはいけないサービス業の方々、守衛さんなど生活リズムの昼夜逆転しやすく、ライフスタイルが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し、眠る機会が妨げられることがあります。
 
交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招く
 
医師としては、このような仕事による生活リズムの乱れがもたらす不眠は対応が難しくなります。
仕事を辞めて生活リズムを整えましょうというわけにはいきませんし、なかなか厄介です。
そのような場合は、個々の患者さんに応じて、解決策を一緒に考えることになります。
 

不眠症の種類

不眠症は4つのタイプに分けられます。
寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない「熟眠障害」です。
 
 
上の図のように、

⏩ 入眠障害:寝付きが悪い

⏩ 中途覚醒:眠りが浅く途中で何度も起きてしまう

⏩ 早朝覚醒:早朝に目が覚めてしまいそれ以降眠れなくなる

⏩ 熟眠障害:ある程度の時間寝ているのにも関わらずぐっすり寝たという感じが得られない

の4つに分類されます。
なお、これらの症状は同時に複数現れることがあります。
 

まとめ

✅ 不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要。
✅ 不眠の種類は4つあり、「入眠障害」、「中途覚醒」、「早朝覚醒」、「熟眠障害」に分類される。

 
 
ぽりぽり
まずは不眠の原因を見つけ出すことが肝要です。
 
原因がわからない限り、いくら睡眠薬を服用しても改善しません。
不眠の原因はかゆみ・痛み・発熱など身体的な原因によるもの、不規則な生活によるもの、ストレスや精神疾患による覚醒亢進、クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。
 
次の記事で不眠症の対処法について説明します。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人

総合内科専門医と循環器専門医資格をもつ精神科医の備忘録です。
①医療のこと(循環器、精神科領域中心)
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③投資のこと(米国中心の投資について)
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