医師の副業について、講演会やバイトなど様々なことを経験してきましたが、やはりNo1は「産業医」で間違いないです。
私はバイトだけをしている医師ではなく、メインとして常勤の病院で働いていながら、副業として産業医をしています。
勤務医やバイト医問わず、ローリスクハイリターンの『産業医』について説明したいと思います。
・ローリスクで副業を考えている医師
・バイト先を探している大学院生(医師免許所持)
・研修医(初期研修を終えたらバイトができます)
・医師に興味があるひと
👇バイトのための産業医の概略については、以下の記事を参照ください。
産業医のなり方
産業医ってどうやってなるの?って思いますよね。
産業医科大学出身の医師は、無条件で産業医の永久資格をゲットできるんですが、我々のような産業医科大学以外の医師は、講習を受けて単位をゲットないと産業医の資格は取れません。
・医師会が主催する講習で規定の50単位をゲットする必要がある。
・前期14単位、実地10単位、後期26単位の計50単位が必要。
・この50単位さえそろえば試験なしで誰でも産業医になれる。その申請も非常に簡単。
単位というのは1単位1時間ほどの講習(授業)を受けるだけです。特にテストとか試験とか何か難しいことをするわけではありません。講習といってもほぼ座学です。聴いているだけです。
産業医資格は授業を50単位、つまりは50時間ほど受ければ単位がゲットできるわけで、「超簡単」って思うじゃないですか? そうなんです、単位を取ること自体は何の難しさはないんです。決められた時間に決められた授業を受ければいいだけです。テストもないので気楽です。
ただ、問題点は、「単位を取るための講習の予約が取れない…」ことなんです。
コロナ禍では、講習会が中止になったり、人数制限されたりでなかなか講習会の予約が取れません。
ただ、全てが中止されているわけではないので、アンテナを張って講習会の募集があるまで注意深く待ちましょう。
行くべき講習会について
・一気に50単位揃えられる講習会がおすすめ。
・産業医科大学、東京医科歯科大学、自治医科大学で行われる講習会は、1週間缶詰で50単位を一気に取得できる。
・1単位とか2単位ずつの講習会もあるが、過不足なく集めるのが大変。
やはり、一括で一気に50単位揃えられる講習会がおすすめです。
基本的に講習会は1週間で予定されていて、朝から夕方18時ごろまでみっちり講習会が詰まっています。ここまでみっちり講習会を受けるなんて、これが最後かもしれないとおもうほどみっちりですが、その成果として産業医がゲットできるので途中でへこたれることなく受けることができます。
上図はある一括講習会の1日目と2日目ですが、こんな感じで講習会が行われます。これが7日間です。
いつ開催されるかは、各施設のHPでアップされますのでこまめにチェックが必要です。
予約はインターネットを通じて予約サイトから応募するケースが多いと思います。
コロナ禍で予約枠自体が少ないので、予約時間になった途端に争奪戦が始まります。
私は2021年東京医科歯科大学の講習に応募したのですが、応募開始3分くらいで満席になってました。ぎりぎり申し込みできたのですが危なかったです。
申し込み後、抽選のところもあるようですので、詳細は各施設のHPを参照ください。
講習会費用(一括の講習会の場合)
費用は、医師会に所属しているかどうか、都道府県どこに所在しているかなどで違います。
医師会所属で開催される場所が、お住まいのそばであれば、2〜3万円くらいで済みます。
たとえ、医師会に所属しておらず、お住まいが遠かったとしても10万円前後だとおもいます。
講習会でやってはいけないこと
・PCカタカタ
当たり前すぎてわざわざいうことではないのですが、実際、私が参加した講習会で、「不参加、途中退室、遅刻」が少なからずいたようです。
講習会最終日の全ての講習が終わった後に
「途中退室、遅刻を頻回にされた方は、名前を控えていますので単位取り消しにさせていただきました」
と担当の方がおっしゃっていました。かなりざわついてましたね。座席指定されていたので、誰が途中退室したのかわかるんですね。
実際、取り消しになったかどうかわかりませんが、まぁ、取り消しされても文句は言えませんね。必ず途中退席せずに出席するようにしましょう。
あとは、PCを絶えずカタカタしている「俺、忙しいのよ」系はNGですね。かなり注意されていました。
どこの病院にもいると思います。「俺、忙しいから、どんな会議でもPCカタカタしちゃうのよ」という医者です。論文に追われているのか、スライド作りに追われているのかわかりませんが、カタカタカタカタ鳴り響くのでめちゃくちゃ迷惑です。どうせ大した論文とかスライドとか作ってないくせに、「俺、忙しい」アピールは正直迷惑なんでNGです。
すみません、だいぶ偏見入っちゃってますが、とにかく講習会でPCカタカタはやめましょう!ずっと注意されていました。
50単位取り終わったら医師会に申請
50単位取り終わったら、医師会に申請するだけです。
非常に簡単です。
講習会で受講済みを証明するシールなどが渡されますから、それらと申請書を記入し医師会に送付するだけです。
なお、申請方法、申請受付期間は都道府県医師会によって異なりますので、申請にあたっては、一度、都道府県医師会にお問い合わせ下さい。
①認定産業医新規申請書
②医師免許証の写(医師会員は不要)
③産業医学研修手帳(Ⅰ)(基礎研修50単位以上のカリキュラムを修了したことが証明されていること)
私の場合は、手帳はなくても申請は問題ありませんでした。大丈夫かどうか医師会に問い合わせて、手帳なくとも受講した証があれば大丈夫とのことでした。変わっているかもしれませんので、必ず医師会に問い合わせてください。
ただ、めちゃくちゃ簡単です。手続きでてこづるとかないです。
申請から産業医認定まで
申請から認定まで数ヶ月かかります。
私の場合、9月に申請して産業医証書が手元に届いたのは翌年1月中旬でした。
忘れた頃にやってきます。
ただ、早く証書をゲットして、産業医として活動をなるべく早く始めたい人には待ち遠しいかもしれません。
まとめ
産業医資格をゲットするには
講習会で50単位ゲットする必要あり
ちまちま集めるより、一気に一括で集められる合宿形式の講習会がおすすめ
講習会では途中退室や遅刻は厳禁。PCカタカタも厳禁。
講習会が終わったら医師会に申請。簡単だが、まずは医師会に問い合わせて詳細確認がベター。
申請したら数ヶ月後に証明書が届く。
こんな感じです。
非常に簡単ですので、時間があるうちに取得しておく方が望ましいです。
初期研修医の間がベストです。
初期研修医を終えると、しばらく忙しくて1週間も休みは取れません。
次点は、大学院生のときでしょうか。
とにかく早く取得するに越したことはありません。
取得すると下記のような証書が届きます。
参考になれば幸いです。
つぎは、産業医のオファーの受け方です。もっとも大事かもしれません。
👇「契約に至るまで」は、こちらを参照ください
コメント